2007年11月29日木曜日

【日系の歴史】

ハワイに日本からの移民がはじめて渡ったのが1868年。
ブラジルには1908年に多くの日本人が移住しました。
言葉も文化も全く異なる地で、文字通り地のにじむような苦労をして人生を切り拓いて来たのだと思います。
最近の新聞記事の連載の中で、こういうコメントが出てきます。

「(祖国日本では薄れつつある)勤勉さ、誠実さといった日本人の美徳はタイムカプセルに閉じこめられたかのように(日系人の間に)保持されてきた」
(読売新聞 2007年11月24日朝刊「日本」)
「日本人であるということ」とはどういうことか、日本人のアイデンティティとは何か、答えを探す時代なのではないでしょうか。
Discover Nikkei というサイトでは、日系人の歴史を記録し、コミュニティを提供しています。
DiscoverNikkei
Make History というコーナーでは、自分の歴史をビデオや思い出の品やアルバムで残そうと呼びかけています。
そして、記録したものを検索して見ることができるようになっています。
インターネットという文明の保存庫に日系の歴史を遺そうというすばらしい試みだと思います。
国や国境の意味は、今後変わっていくかもしれません。
国、人種、宗教や信条、会社など、どこに帰属意識や忠誠心をもつのか、ということが単純には言えなくなってきています。
100年以上前から、このテーマと葛藤し、生き抜いてきた日系の人たちに、いま日本人として学ぶことが多いのではないでしょうか。

アジアという意味では、asian-nation.org というサイトが、アジア系アメリカ人の行動様式や歴史などについて、広範囲にカバーしています。
asiannation
日本からアジアに視野を広げ、「アジア人であるということ」を考える材料になります。

2007年11月22日木曜日

【アメリカのY世代】

アメリカでは、1981年から1995年にかけて生まれた世代を Generation Yと呼ぶそうです。

ちなみに、1964年から1980年にかけて生まれた世代は Generation X。

CBSの看板番組「60 minutes」でGeneratoin Y が職につくことについての特集がありました。
http://www.cbsnews.com/stories/2007/11/08/60minutes/main3475200_page2.shtml

  • 1年で4回の転職も珍しくなく、会社を楽しい場所にしないとY世代を引きとめておけない。
  • まるでオークションサイトのイーベイで自分を陳列しているかのごとく、合わなければさっさと別の買い手のところに自分を売り込む(転職する)。

などなど、ちょっとステレオタイプな描写ではあります。

Y世代を人事面でどう支えるべきかのコンサルティングや、Y世代を対象に会社でのふるまい方や食事のマナーを教える講座も繁盛しているといいます。

この番組はちょっと偏っているとプンプンしながらも、Y世代の親にみられるヘリコプターペアレント現象について、Y世代の女性ライターが書いています。
http://finance.yahoo.com/expert/article/generationdebt/54492;_ylt=ApQr4C3n4_neONyh9XcoAAK7YWsA

ヘリコプター

大学生の中で、まるで頭上を飛び続けるヘリコプターのような親からの干渉を受け続ける学生がけっこういるとのこと。

National Survey of Student Engagement という調査によると、24校の1万人の学生のうち、10人に7人はひんぱんに親からのコンタクトを受けているそうです。

そして、そうした学生は、大学生活への満足度は高いけれども、成績はふるわないそうです。

高い学費を払う親が、やきもきして子どもにあれこれ言いたがる気持ちは、わかるような気がします。

でも、今も昔も、そうしていると子どもを駄目にしてしまう、ということのようです。

日本では、なにかというと学校にクレームをつけるモンスターペアレントが恐れられています。

次に来るのは、このヘリコプターペアレントかもしれませんね。

2007年11月15日木曜日

【年配の投資家の脳内】

脳内メーカーが大ブレークですね。
「貯蓄から投資へ」とさかんに言われ、団塊世代の退職金など、お金が投資に向かうことが期待されています。

投資というと、バクチ的なイメージをもってしまう人も多いと思います。

投資家の脳内はどうなっているのでしょうか?
  • すぐ頭に血がのぼるようだと危なそうだなあ
  • かといって慎重すぎてもチャンスをつかめないだろうなあ、
  • 失敗して損をしたら悔しくて眠れなくなりそう
などなど、自分の脳内が投資に向いているのか、気になりますよね。
若い人と、年配の人で、投資するという観点で脳内の違いはあるのでしょうか?
脳内メーカーで脳内をみてみました。
まずは、青年投資家です。
青年投資家
次は、壮年投資家です。
壮年投資家
???ですね。若いほうが忘れやすく、年をとったほうが怒りっぽいということでしょうか。
年配の人は、とかく投資に保守的であるべし、というのが通説ですが、実はそうでもない、という記事がありました。
http://finance.yahoo.com/focus-retirement/article/103862/Inside-the-Mind-of-the-Older-Investor?mod=retirement-post-spending
ここに書かれていることによれば、年をとった脳の方が、若いときよりもリスクにうまく対処できるとのことです。

なんとなく、勇気づけられますね。
  • 怒りや恐怖の信号を出す脳内のある部分は、銀板写真のように経年劣化する
  • お金を失いそうなとき、脳をスキャンすると、20歳代のほうが年配層よりも動揺している
  • ということは、60歳以上の投資家のほうが、若年層よりもベア・マーケットでの心理的ストレスにより耐えることができる
  • 一方で、年配の脳内のほうが、より衝動的になるという側面もある。恐れに強い反面、衝動的な投資行動を起こしてしまう
などなど。
ひょっとして、高齢者をねらった投資サギが絶えないのも、案外お年寄りが衝動的に投資する脳内をもっているからなのでしょうか?

信頼できるファイナンシャルアドバイザーをもつことを対策としてすすめています。
また、電話勧誘をさけるために着信番号を確認してから電話に出るとか、電子メールもスパム対策をするとか、実践的です。

記事中で別の観点でおもしろいのは、ポートフォリオにおける株式比率を(100-年齢)%とか、(120-年齢)%というのが一般的なアドバイスだということです。
さすが、投資先進国のアメリカです。
そしてさらに、97歳の伝説的なファンドマネジャーに、あなたの株式比率は(100-97)=3%か?ときくと、100%と答えたとのこと。
いやはや、すさまじいつわものがいるものです。
(120-年齢)% の式でいくと、20歳代はほとんど株式に有り金をつぎこめ、ということになりますね。

2007年11月8日木曜日

【早期リタイア】

毎日あわただしく働いている者にとって、Early Retirement(早期リタイア)は、憧れです。
37歳で見事にリタイアしたというフィリップの記事は、けっこう読み応えあります。
http://philip.greenspun.com/materialism/early-retirement/

  • 働いているときに夢見るようなことは、リタイアしたら価値はない。(1日中ビーチにすわって本を読むなど)
  • 他の人との交流をいかにもち続けられるかがカギ。(特に、子どもがいなかったり、独身の場合)
  • NPOは最適解ではない。特に、若くしてリタイアした場合。
  • 教えることは最適解になり得る。
  • 仕事がふってきてスケジュールが決まる会社生活と違って、タイムマネジメントを自分で心がける必要。
  • 幸福感を増すための手順をふむ必要。感謝の気持ちを週に1度は書き出す、もっともっと笑う、など。
  • 子どもにお金を残すベストなやり方-稼いだ額×Nを遺す。
  • 死に備える。(遺言、財産の遺し方)

などなど、けっこう赤裸々です。

日本にも、うまく資産運用したり、アフィリエイトで稼いだり、いかにアーリーリタイアに近づくか、という方法論についてのブログ記事はけっこうあります。

一方で、実際にアーリーリタイアした人生はどんなものか、についてはあまり書かれていないようなので、フィリップの文章などは参考になります。

いろいろな個性あるリタイア生活を知る機会があると、刺激になるのではないでしょうか。

Early Retirement and Financial Independence Community というサイトもあります。
早期退職と経済的自由の獲得についてのフォーラムです。
http://www.early-retirement.org/

いろいろな人が、生き方について真剣に考えて、議論しているというのはすばらしいことですね。

2007年11月6日火曜日

Burning Platform

なにかをしようとするときに、Burning Platform があるかどうかを考えてみてはどうでしょうか?

Burning Platform とは、足もとが燃えさかっている、ということです。
自分の立っている土台が燃えていれば、そこに立ち続けることはできないですよね。
そこで、新しい立ち場所を探す、すなわち「変わる」ことを追い求める強い動機があるわけです。

「このまま一歩をふみださない自分でいるときっと後悔する」
「新しい職場で、何かをしないとスタートラインに立てない」
「家族がとても辛い状態にある」
「このままでは自分がこわれそうだ」

人によって、Burning Platform はいろいろでしょう。
心の中で燃えているものが何なのか。
その姿を知ることで、何かをしよう、変わろう、という強いモチベーションがわき、行動を起こすことができます。

Burning Platform があって起こした行動は、結果がどうあれ、後悔しないものです。
なにも行動しなかったときにこそ、大きな後悔に苦悩します。

2007年11月5日月曜日

夢あっての幸福

「目標は期限つきの夢」ということばがあります。
幸福は、ものさしがあってはじめてイメージすることができるものです。
人生において、何を達成したいのか。達成イメージを言葉にしてみて、書いてみて、はじめて「どうだったら幸福なのか」ということがはっきりとします。
「平和な世の中に生きたい」、「便利で豊かな生活を楽しみたい」、「差別のない社会にしたい」というような無数の夢の積み重ねがあって、いまの私たちが生きる世界があります。
そして、人は目標を決めると達成しようとします。
目標達成マシーンです。
目標は、幸福のものさしになるのです。
もうひとつ、自分の信条や価値観など心の部分も、幸福のものさしの一要素となります。
幸福になるための土台は、「夢」と「心」の組み合わせです。

GMO社長の熊谷さんの「夢・人生ピラミッド」の「心・精神セクション」は、夢をささえる土台であり、「自分はなぜ自分なのか?」という問いへの答えそのものです。
人間は、生きているかぎり学び成長するものです。「心・精神」が人生の各局面で変わるのは自然なことだと思います。
変わることもまた、自分の歴史です。
自分の「心」、すなわち、自分の好きな言葉でも、ゆずれないスタンスでも、座右の銘でも尊敬する人のことばでも何でもよいから、書き出してみましょう。ほかの人の信念や信条にふれる機会があれば、それによっても、おおいに啓発されることでしょう。

幸福のために、時間が味方になる 時間は、誰に対しても同じスピードで経過します。
時間は、私たちにとって大きな味方です。それは、
  1. 毎日少しずつこつこつやると、時間がたつほど多く蓄積される
  2. 資産運用において、多くの場合、時間軸を長くとるほど価格変動リスクは低減する
  3. 生きることにおいても、 めざす星がわかっていれば、途中で回り道をしても、時間の経過とともに着実に近づいていける
からです。

時間を愛し、もっともっと時間に味方になってもらう。
そのために、目標を決めて、時間軸を設定して、1日1日を大切にし、記録をつけるということも、意味があります。

自分を承認するということは、自分の歴史を記録していくことは、自分を承認することにつながります。

かしこまった記録である必要はなく、日記帳でも、手帳の片隅でもいいと思います。

2007年11月1日木曜日

【米国で50歳以上向けのジョブサイトがブーム】

若い世代がジョブをさがすときには、インターネットのジョブサイトを利用することが当たり前のようになってきました。

転職先進国の米国では、さらにLinked in (下記にURL)のようなビジネス志向のソーシャルネットワーキングサイトがあります。
http://www.linkedin.com/

自分の履歴書をネットにのせるようなものです。
Linked in は、日本でも本格的に展開するようです。

さて、米国では、50歳以上向けのジョブマッチングのサイトがブームだそうです。
US News の記事からです。
http://finance.yahoo.com/focus-retirement/article/103780/Jobs-Sites-Boom-for-the-50-Plus-Set?mod=retirement-lifestyle

米国では、リタイアの準備が十分でない層に就労意欲が高く、ニーズがあるためです。
よりお金をためたり、社会保険の適用を受けたり、働くことによる刺激を受けたり、社会との交流の場を得たりと、動機はさまざまです。

多くの仕事は、流通関係で、次に金融関係だそうです。
顧客に高齢層が多く、同年代の社員を必要としているようです。

Seniors4Hire.com, RetireeWorkForce.com, RetirementJobs.com, Workforce50.com, RetiredBrains.com など、名前もおもしろいです。
EcecSearchs.com はNPOや政府、教育分野における中間管理職以上、YourEncore.com は経験豊かな科学者やエンジニアや商品開発者の短期アサインに特化するなど、ニッチ特化型もあります。

日本も、人口減で労働力確保が課題ですから、これからブームになりそうですね。

上杉鷹山は、貧乏藩の改革において、隠居しているお年寄りに鯉を育ててもらい、江戸などに売るということも考えました。
これは、ヒットしただけではなく、育てるという仕事を得たお年寄りに大変な喜びをもたらしたということです。
人は生きているかぎり、なにかしら手や足を動かし、社会とかかわりたいものですよね。