2007年10月2日火曜日

【マーク・アンドリーセンのキャリア観】

インターネット初期のスターにネットスケープ社がありました。
モザイクというWebブラウザを無料配布し、あっという間にブラウザの王座をとりました。
NetSacpe
巨人マイクロソフトに倒されてしまいましたが、鮮烈な登場と活躍でした。
そのネットスケープの創始者 Marc Andreesen のブログは、分量も膨大ですが、さすがに読み応え有ります。
http://blog.pmarca.com
キャリアプランニングへのガイドという連載があって、彼らしい視点が面白いです。

印象に残ったところをかいつまんで挙げると、

  • Career Planning = Career Limiting.
    キャリアプランニングなどやりすぎると、機会を失うことになりかねない。
  • キャリアプランより、スキル育成と機会をつかまえることに注力せよ。
  • 機会は、正しい場所に正しいタイミングでいることによって、偶然姿をあらわすか、あなた自身が自分で創り出すかのどちらかしかない。
  • 人生は短い。本当にやりたいことがありながら、機会を探し創ることをせずにうろうろするな。
  • あなたが自分のやりたいことをわかっていて、最大のエネルギーと原動力と情熱でとりくめば、 世界はあなたが考えるよりももっと速くあっさりと姿かたちを再構成してくれるものだ。
  • あなたのキャリアを、ジョブや役割や機会のポートフォリオと考えよう。(投資のポートフォリオのように)
    50+年の時間軸で、戦略的にキャリアを考えるのだ。
    卒業後は、体力もあるし、移動にも柔軟に対応できるから、失業リスクや収入は少なくても、スキルを磨ける職を選べる。
    家庭をもったら、収入を確保でき、つぶしのきく職に、そして子育てが終わったらまたリスク高のプロファイルの職につくといった具合。
  • リスクをとらなければ、何か新しいことを生み出すことはできないし、この世に生きた証を記すことも難しい。
  • 大学は、トップの大学に行け。
    実践的な学問を選べ。コンピュータサイエンスや経済学、物理学など。
  • 複数のことでトップ25%になれ。エンジニアリングを学び実践しつつ、MBAをもっているとか。何か1つのことでトップをめざすより近道だ。
     (Dilbertという漫画の作者のScott Adamsのことばを引用しています)
  • トップの大学で、Organization Kid (競争と社交に慣れ親しんだトップ層の学生)になるべきだが、それでもリスクはある。
    現実の世界で過酷な目にあったことがないということだ。
    現実は、不正確な情報で迅速に決断しないといけない局面の連続だ。
    はやくから現実を経験することだ。はやいほどよい!
シリコンバレーで成功したアメリカ人らしい、自由な発想ですね。
キャリアをポートフォリオで考えるというのが新鮮でした。
「やりたいことをやるのがキャリアだ!」というメッセージが、行間からにじみ出ているように感じました。
それにしても、ここで紹介されているOrganization Kid の姿などを読むにつけ、グローバル人材の成長スピードは加速化しています。
日本の学生も、おいていかれないように疾走してほしいです。