2007年8月16日木曜日

なるほどコラム【お金のコミュニティサイト wesabe.com】

お金の管理のソフトとして、米国ではQuickenとMicrosoft Moneyというパソコンソフトがメジャーです。
私もMicrosoft Moneyを使っていますが、個人で閉じた世界で使うには極めて優れものです。
一方で、「なんとかクレジットカードの負債を減らしたい」とか、「食費を節約したい」など悩んだとき、
あるいは、「現金で車を買うために、お金を貯める」という目標を立てて、同じような目標をもつ人と交流したいとき、
パソコンソフトにはその機能はないし、mixiやmyspaceのようなSNSでも議論がぼやけがちです。
wesabe.com
http://www.wesabe.com
は、オンラインで使える無料の家計簿ソフトであり、お金のテーマでネットワーキングするコミュニティサイトでもあります。
・オンラインで資産管理を行う。
・銀行会社、証券会社、カード会社などが提供する電子明細情報をとりこみ、まとめる。
・自分のトランザクションに関連したコメントや情報を書き込む。
・ほかの人のTIPS(ヒント)を読む。(「ATM利用料を節約する」など)
・お金をためる目的を書き込んで、同じような目的をもつ人と交流する。
といった機能があります。
金融機関から明細情報をとりこむ際に、自分のパソコンにとりこむため、セキュリティのガードは堅いそうです。
(ユーザーID・パスワードをオンラインで入力することはしない)
「wesabe」というのは、Spanglish(スペイン語&英語のことだそうです)で「われわれは知っている」とのこと。
ワサビとは関係ないようです。
スペイン語の“tu sabes,”と英語の“you know.”のチャンポン。
運営者のブログを見ると、Welcomeメッセージに以下のことばがあり、共感しました。
I started Wesabe because I thought there were way too many companies out there helping businesses get more money out of consumers,
and not nearly enough helping consumers get more value out of businesses.
(自分がWesabeをはじめたのは、どこを見てもビジネスで消費者からもっとお金をとってやろうという会社ばかりで、
消費者がビジネスからもっと価値を得ることを手助けしていない、と考えたからなんだ。)
また、wesabe.comの運営者は、43thingsに啓発されたとのことです。
http://43things.com
この面白い名前のサイトは、「人にはだいたい43コぐらい、やりたいこと(thing)がある」というところから命名(???)。
ひたすら自分のしたいこと=goalを書くサイトです。
同じgoalをもつ人が何人かとか、それらの人たちの書いていることを見る、といったコミュニティになっています。
「Kiss in the rain(雨の中でキスする)」とか、けっこう楽しいゴールがあります。
やりたいことやゴールを共有するのは、自分にもまわりの人にも励みになりますね。
wesabe.comは、ベンチャーキャピタルから400万ドル(約5億円)を最近になってファンディングしたようです。
広告は載せないと宣言しているこのサイトをインキュベートしようという投資家がいるというのが、米国資本主義のすごいところです。
お金がまた新たな「何か」を創造していく。そのダイナミズムがありますね。