Googleに押されっぱなしのマイクロソフトですが、そのインターネットサイトmsnは、moneyの内容が充実しています。
米国では売れ筋の家計管理ソフトMicrosoft Moneyと連動して、お金の基礎からマーケット情報などを載せています。
その中で、興味深いのがクレジットについての話です。
日本では、信用情報は複数の信用情報センターでバラバラに管理されており、クレジットスコアといってもピンと来ません。
消費者金融の多重債務者のチェックに活躍しているぐらいです。
一方、米国ではFICOという統一的な信用情報についてのスコアがあります。
カードを利用し、きちんと払うという履歴を積み重ねるとスコアが高くなります。
延滞があるとスコアが低くなります。
米国を旅すると、クレジットカードがないと、まことに不自由です。
学生など、どうするのだろうと思ってしまいます。
そこで、米国に「カードのない人生」はあるのだろうか?と素朴な疑問をもちました。
msn moneyに「Life without credit: tough and expensive カードのない人生:タフで高くつく」という記事がありました。
FICOの提供元であるFair Isaac(フェア・アイザック)社によれば、米国で2000万~2500万人がカードなく生活しているそうです。
また、クレジット情報がごくわずかしかない人が、この他に3000万~3500万人。
米国では、ローンを組んで家や車を買うにも、保険料率を決めるにも、場合によっては職を得るにも、クレジットのスコアがモノを言います。
クレジットスコアの履歴がないと、車や家具などの生活必需品を買うにも高利貸しのところへ行くことになります。
モーゲージローンのレートにしても、良いスコアと悪いスコアでは年利3.45%の差があると例示しています。
事実上、カードがない(すなわちクレジットの履歴のない)人生は米国ではきびしく、スコアをあげるための処方箋を説いています。
最近、米国では他人の信用情報を利用してスコアを高めるサービスというのも出ています。
Instantcreditbuilders.com などが提供していて、信用スコアの高い人のカードにおんぶする形で、カードを発行します。
スコアの計算処理上、このやり方で通常以上のスピードでスコアをアップできるそうです。
一方、これは信用情報の信頼性をゆるがす話なので、非難の声もあがっています。
日本では考えられない話ばかりですが、クレジット先進国ならではの進化なのでしょう。
米国のように、Social Security Number (社会保障番号)で背番号がつけられ、FICOで信用スコアがある、というのは社会システムとして合理的で効率的でしょう。
一方、日本は、戸籍システムは市区町村毎の管理、背番号はなく、信用情報も複数に分散という状況です。
でも、アンチ管理という意味では、このような分散・バラバラ状態にも、けっこう耐性があるのかもしれません。
単純に、秩序だって管理できているから良い、そうでないから悪い、ということでもないような気がします。
「カードのない人生」は、現金社会の日本だったら、楽勝で実現できますね。
統計的には把握していませんが、金融資産を若い世代よりはるかに多く持っている高齢層で、カードなしの人は多いのではないでしょうか。