2007年10月25日木曜日

【自分が創業した会社の買収】

会社を創業し、なんらかの理由で経営をはずれ、外から自分のつくった会社の行く末をみているというのは、どのような気持ちなのでしょうか?
有名なのは、アップルを創業したものの経営不振で解任され、また見事に返り咲いたスティーブ・ジョブスです。
iPodやiPhoneの成功で、なんとあのインテルを抜いて米ハイテク企業の時価総額第3位とのことです。
(1位はマイクロソフト、2位グーグル、3位シスコシステムズ)
今回は、MyFamily.com(現Generations Network)を創業したポール・アレン氏のブログが目を引きました。
マイクロソフトの共同創業者のポール・アレンと同姓同名ですが、別人物で、自称「小ポール・アレン(Paul Aggen, the lesser)」。http://www.paulallen.net/2007/10/17/big-news-from-my-family-dot-com/
彼は現在、World Vital Records/FamilyLink.comという別の会社のCEOをしています。
家系に関するデータベースを拡張し、家系を調べるサポートをしたりする会社です。
彼がかつて立ち上げたMyFamily.comが、プライベート・エクイティ・ファンドに3億ドルで買収されました。
はたからは、「もしいまも関わっていれば、巨額のお金を手にしていたのに、悔しかろう」とみられそうですが、それについて彼はブログでこう述べています。(ポイントのみ要約します)
  • いまの自分の会社(World Vital Records)と競合関係にもなり得るこの会社が、成長を続けているのは喜ばしい。
  • 自分が同業で新しい会社に関わっているのも、競争が家族や家系研究者により正しい判断材料を提供することになると考えたから。
  • 家族こそが、世界中で最重要な消費者にとっての価値(consumer value)である。
  • これから、どの会社がもっとも、世界中の家族を助け、絆を強められるかを見ることができる競争を楽しみにしている。
自分や関わる会社のミッションをとても明確にもち、ビジネスの倫理感ももちあわせていることを感じさせます。
富や名声も魅力的でしょうが、自分の芯がしっかりはっきりしているということも素晴らしいことだと教えてくれます。
<余談>
ブログを書いている人たちに共通するのは
  • 大好きなことがあって書いている(イヤイヤ書く人はいないでしょう)
  • 一所懸命に自分のおもいを伝えようとしている
  • 書き続けることに価値があると知っている
ということのように思います。
今回紹介した小ポールアレン氏は、ブログの中で「経営者がブログを書くことは必須だ!」と述べています。
同感です。

2007年10月18日木曜日

【お金についてスターウォーズが教えてくれる6つのこと】

映画史上に残る超大作のスターウォーズ。
そのスターウォーズから、お金とのつきあい方について学べるというお話です。
アメリカのファイナンシャルアドバイザーのAlan Haftさんのブログからです。
http://www.alanhaft.com/blog/2007/10/09/what-star-wars-teaches-us-about-money/
たとえばレッスン1はこうです。 
ルークが念力で石を動かすと、ヨーダが、こんどはルークに戦闘機を念力で動かせと言う。

ルーク「石を動かすのとはわけが違う」
ヨーダ「なにも違わない!おまえの頭の中で違うだけだ。意識的に忘れるということを学べ」
成功する投資というのは、難しい投資原理を学ぶのではなく、意識的に忘れることから始めるべきだ。
私がマネー雑誌を片っ端から調べたところ、もっとも多い広告は、手数料の高い投資信託だった。
マネー雑誌を読んでいると、無意識にそのような広告にすりこみをされる。
まずは、そのようなすりこみを意識的に忘れることだ。
このあと、
2.フォースをマスターしたようにオープンマインドでいけ
3.ダークサイドにおちないように、誇大宣伝から距離をおけ
4.一夜にして成功することはないのだから、時間をかけてコツコツいけ
5.ヨーダ(もしくはバフェット)がいうように、理解できないものから距離をおけ
6.スターウォーズのシンプルなストーリーラインのように、シンプルにいけ
と続きます。
それにしても、挿絵も凝っていて、かなり時間をかけたのだろうな、と思うブログです。
お金の話というと、むずかしい話になりがちです。
この人のように、わかりやすい題材とからめて話すと、理解しやすいですね。
ジョージ・ルーカスがこの話を読んだら、「こういう解釈もあったか・・・」と感心するのでは?
スターウォーズをつくるにあたって、いまやビリオネアのジョージ・ルーカスは、
  • 部屋にとじこもってノートにSFのアウトラインを書きつけ
  • また何年かかかって脚本にし、
  • また何年かかかって書き直し、
  • 脚本ができると何年かかかって資金集めに走り、
  • また何年かかかって撮影したそうです。

そして、シリーズはまだ完成途上。

意志のある生き方ですね。

2007年10月15日月曜日

自信

よく「もっと自信をもっていきたい」といいます。

自信とは、文字通り、自分を信じる、ということです。

自信は主に、

  1. 自分なりの努力でやってみた結果について、他人にほめられたり、賞賛された
  2. 自分なりの目標をもってやってみたらできたので、自分として満足できた

という2つのパターンでついていきます。

自分に自信がもてないという場合は、

  • 「けなされそう」、「笑われそう」なので、やってみることをせずに躊躇している
  • 周囲の目を気にしてしまう
  • 他人の肯定的な声を素直に受け止められず、否定的な声ばかり気にしてしまう
  • 自分に対する期待レベルが高すぎて(自分に高い目標を課していて)、とても到達できず、自分を認められない

というケースが多いようです。

コーチとしてお話を伺ってみると、どうみても客観的には立派なことをしていたり、よくやっていると思えるのに、ご自身は自信がないという方がいらっしゃいます。

傾向としては、完璧主義的な人に多いように思います。


「ちょぼちょぼ」にやる、という風に考えて肩の力を抜いてほしいなあ、と思いますが、なかなかそうもいかないようです。

そこでお勧めするのは、なにかしら自己承認をする習慣をもつことです。

たとえば、日記を書くことです。

何かその日にあった「うれしかったこと」、「ついていると思ったこと」、「自分をほめてやりたいこと」をちょっとでもいいので必ず1つ書くのです。

これには、自分が自分を認める、という意味があります。また、物事を肯定的に考える習慣がつきます。

さらに、「書く」という行為には、「浄化」作用があります。

自分の心の中のもやもや、よいこと・悪いことをはきだすことで、チャンネルをあしたへ切り換えるのです。

誰かに話す、という行為にも同じような作用があります。

ですから、日記を書く、というかわりに、パートナーに1つは「よかったこと」を話す、という習慣でもよいと思います。

夜、寝る前に、寝床でつぶやく、というのでもいいでしょう。

奇跡的な確率で人間として生まれてきて、人として生きていられる、生かされているう、というのは、とても「ありがたい」ことです。確率的には、「あり得ない」に近い出来事です。

ちょっとした習慣を通して、そのように「ありがたい」気持ちと隣り合わせで日々を過ごしていくと、自分なりの自信がついてくるのではないかと思います。

2007年10月9日火曜日

【Fortune 400 になかった名前】

フォーチュン誌の長者番付は、毎年あぜんとするようなスーパーリッチを知る機会になっています。
今年も「400人の金持ちアメリカ人リスト」が発表になっています。
http://www.forbes.com/2006/09/21/americas-400-richest-biz_cx_mm_06rich400_0921richintro.html
はじめて、全員が10億ドル(1150億円!)以上の金持ちで占められたそうです。

THE FINANCE BUFF というブログに、このリストに載っていないある著名人について書かれています。
「Missing Name on Forbes 400 List」
http://thefinancebuff.com/2007/09/missing-name-on-forbes-400-list.html

その著名人とは、バンガードグループの創立者、John Bogleだ。

Vanguard
バンガードは、ノーロードのインデックスファンドの最大手で、預かり資産は1兆ドル(115兆円!)を超える。
同社のノーロードファンドによって、大勢の人が恩恵を受けた一方で、彼は400人のリストに載っていない。

投資信託大手のフィデリティのジョンソン父娘は、あわせて250億ドル以上。
バンガードより4割少ない資産を運用するFranklin Resources のジョンソン兄弟は、あわせて110億ドル。

ジョン・ボーグルは、他社の人たちが受け取った手数料を受け取らず、社員として給与をもらっただけ。
ビル・ゲイツに代表される大金持ちは、通常まず資産をつくり、それから慈善活動にお金を使う。
ボーグルさんは、インデックスファンド革命を起こしたそのときから、自分のものとすることもできたお金を投資家に渡してきた。
彼は、「マネジメントの資本主義」に対抗して、「オーナー(投資家)の資本主義」という信条についていまもスピーチを行っている。
彼こそが、金融業界における「普通の人たち」のための孤立した声だ。

このブログは、インデックス投資について多く語っているようなので、必然的にボーグル氏を賞賛しています。
フォーチュン誌に載っていない人に思いを馳せるという発想も、面白いですね。

2007年10月2日火曜日

【マーク・アンドリーセンのキャリア観】

インターネット初期のスターにネットスケープ社がありました。
モザイクというWebブラウザを無料配布し、あっという間にブラウザの王座をとりました。
NetSacpe
巨人マイクロソフトに倒されてしまいましたが、鮮烈な登場と活躍でした。
そのネットスケープの創始者 Marc Andreesen のブログは、分量も膨大ですが、さすがに読み応え有ります。
http://blog.pmarca.com
キャリアプランニングへのガイドという連載があって、彼らしい視点が面白いです。

印象に残ったところをかいつまんで挙げると、

  • Career Planning = Career Limiting.
    キャリアプランニングなどやりすぎると、機会を失うことになりかねない。
  • キャリアプランより、スキル育成と機会をつかまえることに注力せよ。
  • 機会は、正しい場所に正しいタイミングでいることによって、偶然姿をあらわすか、あなた自身が自分で創り出すかのどちらかしかない。
  • 人生は短い。本当にやりたいことがありながら、機会を探し創ることをせずにうろうろするな。
  • あなたが自分のやりたいことをわかっていて、最大のエネルギーと原動力と情熱でとりくめば、 世界はあなたが考えるよりももっと速くあっさりと姿かたちを再構成してくれるものだ。
  • あなたのキャリアを、ジョブや役割や機会のポートフォリオと考えよう。(投資のポートフォリオのように)
    50+年の時間軸で、戦略的にキャリアを考えるのだ。
    卒業後は、体力もあるし、移動にも柔軟に対応できるから、失業リスクや収入は少なくても、スキルを磨ける職を選べる。
    家庭をもったら、収入を確保でき、つぶしのきく職に、そして子育てが終わったらまたリスク高のプロファイルの職につくといった具合。
  • リスクをとらなければ、何か新しいことを生み出すことはできないし、この世に生きた証を記すことも難しい。
  • 大学は、トップの大学に行け。
    実践的な学問を選べ。コンピュータサイエンスや経済学、物理学など。
  • 複数のことでトップ25%になれ。エンジニアリングを学び実践しつつ、MBAをもっているとか。何か1つのことでトップをめざすより近道だ。
     (Dilbertという漫画の作者のScott Adamsのことばを引用しています)
  • トップの大学で、Organization Kid (競争と社交に慣れ親しんだトップ層の学生)になるべきだが、それでもリスクはある。
    現実の世界で過酷な目にあったことがないということだ。
    現実は、不正確な情報で迅速に決断しないといけない局面の連続だ。
    はやくから現実を経験することだ。はやいほどよい!
シリコンバレーで成功したアメリカ人らしい、自由な発想ですね。
キャリアをポートフォリオで考えるというのが新鮮でした。
「やりたいことをやるのがキャリアだ!」というメッセージが、行間からにじみ出ているように感じました。
それにしても、ここで紹介されているOrganization Kid の姿などを読むにつけ、グローバル人材の成長スピードは加速化しています。
日本の学生も、おいていかれないように疾走してほしいです。

2007年10月1日月曜日

幸福のための技術論

「幸福だなあ!」と思うのはどういうときでしょうか。

  • 愛する人と一緒にいるとき
  • こどもの安らかな寝顔をみているとき
  • 好きなことに没頭しているとき
  • おいしいものを食べているとき
  • 日の光をさんさんと浴びているとき
  • 知らない世界に行って、新しいものに驚き、好奇心を満たされているとき
  • 人に教えているとき
  • 感謝されたとき
  • ほしかったものが手に入ったとき
  • 病気やケガが治ったとき

思いつくままに挙げてみましたが、「そうそう」というものもあれば、「なんで?」というものもあるでしょう。人によって、あるいは人生の局面によって、なにが幸福感をもたらすかは、千差万別です。

本多静六(学者、蓄財家)さんは、「幸福は決して、親から与えられるものでも、人からもらえるものでもなく、また、偶然拾うことのできるものでもない。しょせんは自分自身の努力によって、自分の欲望が満たされ、あぁ、うれしいと感じる状態である」と言っておられます。

幸福は、そうなりたいと強く願い、努力してはじめて得られるものです。努力していられること自体が幸福である、ということでもあります。

ひとりひとりが、心から幸福だと思えないから、親殺し、子殺し、保険金殺人、いじめを苦にした自殺、などの痛ましい、悲しい事件が次から次へと起きるのではないでしょうか。

「幸福になりたい」と強く願うのはタダです。必要なのは、強い意志をもつことです。
一方、努力するということは、やみくもにやればいいというものではありません。
努力するためのテクニックがあると、ずいぶんと楽に、楽しくなります。

いまの時代、テクノロジーぬきにテクニックを語れません。テクノロジーを活用しなければ「もったいない」です。
必要なテクノロジーは誰にでも平等に目の前にあり、タダもしくは信じられないような安い費用で活用できるのですから。

私自身、幸福になるための努力にテクノロジーをどう活用できるか、試行錯誤してきました。
インターネットは、福音です。

テクノロジーを活用して、

私なりに次のようなことを施行してきました。

  • 2000年以来、家族の記録にプロバイダーの提供する無料ブログを使っています。
  • 2000年以来、お金の管理にMicrosoft Moneyという1万円ちょっとのソフトウェアを使っています。
  • 自分の目標管理のために、2007年から自分の会社が運営するenabLife(エネーブライフ)というサイトを使っています(利用は無料です)。
  • 自分の考えや意思を書きあらわすために、GoogleのBlogger(もちろん無料)を使っています。
  • あと、アナログですが、約5,000円の10年日記をつけています。

そんな経験に基づき、私流の「幸福のための技術論」について、こちらにまとめております。どうぞご覧ください!